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民法の基本問題と論点

1,成年被後見人

 

1問 成年被後見人は、成年後見人からあらかじめ同意を得て、自分で法律行為ができるのが原則である。                         〇 ✕ ?

成年後見制度は、事前に同意をしてもそのとうりに法律行為をすることができないくらい判断能力が乏しい人にしか使わない制度です。(民法7条)精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者とは、例えば重度の認知症・寝たきり老人等で事前に同意を与えても同意の意味はもちろん法律行為(例えば契約)をする意味も理解できない者を保護する制度です。

 

2問 成年被後見人の法律行為は、全て法定代理人である成年後見人が代理して行うことができる。                               〇 ✕ ?

成年被後見人は事前に同意をしてもそのとうりに法律行為をすることができないくらい判断能力が乏しい人ですから成年後見人が法定代理人となり、本人に代わり法律行為するのが、原則です。(859条1項)。

しかし、一身専属的な行為は、本人が意思能力を回復している間に本人自身が行う必要があります。婚姻(738条)離婚(764条)養子縁組(799条)離縁(812条)遺言(973条)等家族法に関する行為がこれにあたります。

 

3問 成年被後見人の法律行為は全て取り消すことができ、これに例外はない。 〇 ✕ ?                                   

成年被後見人がした法律行為は、原則取り消すことができます。(9条)

しかし、これには例外があります。

①日常品の購入その他日常生活に関する行為は、成年被後見人が一人でした場合でも取り消すことができません(9条ただし書)。その理由は、1)生活に必要な品物の購入は本人に不利益にならない。2)取消を認めてしまうと「後で取り消されるかも知れないから、この人には売らないことにしよう」と警戒されてしまい、生活に必要な品物が手に入らなくなる恐れがある。

②問2の一身専属的な行為は、制限行為能力を理由として取り消すことができません。

 

 成年被後見人について

 例えば、1問の解説にある重度の認知症の人(Aさん)がBさんと契約をしたとして、意思表示をするとき、意思能力(民法3条の2)がなければ契約は無効ですから、契約の無効を主張しこれが認められれば契約から生ずる義務は免れることができます。

 

しかし、Aさんは契約をした時、意思無能力であったことを証明する必要があり、これは非常に難しいことです。認知症の症状は時間の経過とともに変わり(通常重度になる)ますから、医師が医学的な鑑定するにしても、時間が経過してから事後に契約のその時どうだったかを判定しなければならないことになるからです。

 そこで民法はAさんの行為能力を制限して、Aさんがした行為を取り消したり、代理(法定代理)することができる成年後見制度を定めています。 

 Aさんが成年後見制度を利用するには、家庭裁判所の審判が必要です。

審判は、家事手続法により家庭裁判所という国家機関が法の手続きを踏んで行います。

 

​​家事事件手続法 

(精神の状況に関する鑑定及び意見の聴取)

第百十九条 家庭裁判所は、成年被後見人となるべき者の精神の状況につき鑑定をしなければ、後見開始の審判をすることができない。ただし、明らかにその必要がないと認めるときは、この限りでない。

2 家庭裁判所は、成年被後見人の精神の状況につき医師の意見を聴かなければ、民法第十条の規定による後見開始の審判の取消しの審判をすることができない。ただし、明らかにその必要がないと認めるときは、この限りでない。

 

2、債権譲渡

(債権の譲渡性)

第四百六十六条 債権は、譲り渡すことができる。ただし、その性質がこれを許さないときは、この限りでない。

 

ここでの債権は、普通の債権である指名債権のことです。指名債権とは、債権者が特定しており、債権の発生や行使に書面を必要としないものです。手形・小切手・商品券・劇場入場券等の証券的債権でないものです。

その性質がこれを許さない債権の例として教育指導を求める債権があります。学生や生徒が変われば指導内容も大きく変わるからです。

法律が債権譲渡を禁止している場合もあります。年金給付を受ける権利・労災保険給付を受ける権利・生活保護を受ける権利等です。

 

2 当事者が債権の譲渡を禁止し、又は制限する旨の意思表示(以下「譲渡制限の意思表示」という。)をしたときであっても、債権の譲渡は、その効力を妨げられない。

 

全面的に譲渡禁止する特約とか、譲渡する場合はあらかじめ債務者の承諾を必要とするとする制限特約をしても、原則として債権譲渡は有効である。譲受人は、対債務者対抗要件(通知承諾)を備えれば、債務者に履行を求めることができます。

原則をこのように定めたのは、譲受人を保護するためです。譲渡制限特約を知ることができない譲受人が、債権を有効に譲り受けられないとすれば、譲受人は不当に利益を害されることになります。

 

3 前項に規定する場合には、譲渡制限の意思表示がされたことを知り、又は重大な過失によって知らなかった譲受人その他の第三者に対しては、債務者は、その債務の履行を拒むことができ、かつ、譲渡人に対する弁済その他の債務を消滅させる事由をもってその第三者に対抗することができる。

 

譲渡制限特約が無意味ということではありません。譲受人が譲渡制限特約がされていることについて知っていた(悪意)、または、知らなかったことについて重大な過失がある場合(重過失)には、債務者は譲受人への債務の履行を拒絶できます。

 そして債務者は特約どうり、譲渡人に弁済や相殺をすれば債務を消滅させることができます。

 

     

4 前項の規定は、債務者が債務を履行しない場合において、同項に規定する第三者が相当の期間を定めて譲渡人への履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、その債務者については、適用しない。

 

債務者は悪意の譲受人の請求に対しては譲渡制限特約に反した譲渡だから履行を拒絶すると主張し、他方で、譲渡人からの請求に対しては、譲渡人は債権譲渡によって債権者でなくなっているから履行をしないと主張できることになります。こうなると債務者は、誰にも債務を履行する必要がないというなります。

そこで譲受人に、債務者に対して譲受人が定める期間内に、譲渡人への弁済をするように催告する権利が与えられています。

催告後期間内に債務者が譲渡人に債務を履行しない場合は、譲受人は債務者に対し自分に対し履行させろことができることになります。

                 以下は工事中

(譲渡制限の意思表示がされた債権に係る債務者の供託)

第四百六十六条の二 債務者は、譲渡制限の意思表示がされた金銭の給付を目的とする債権が譲渡されたときは、その債権の全額に相当する金銭を債務の履行地(債務の履行地が債権者の現在の住所により定まる場合にあっては、譲渡人の現在の住所を含む。次条において同じ。)の供託所に供託することができる

2 前項の規定により供託をした債務者は、遅滞なく、譲渡人及び譲受人に供託の通知をしなければならない。

 

3 第一項の規定により供託をした金銭は、譲受人に限り、還付を請求することができる。

第四百六十六条の三 前条第一項に規定する場合において、譲渡人について破産手続開始の決定があったときは、譲受人(同項の債権の全額を譲り受けた者であって、その債権の譲渡を債務者その他の第三者に対抗することができるものに限る。)は、譲渡制限の意思表示がされたことを知り、又は重大な過失によって知らなかったときであっても、債務者にその債権の全額に相当する金銭を債務の履行地の供託所に供託させることができる。この場合においては、同条第二項及び第三項の規定を準用する。

 

(譲渡制限の意思表示がされた債権の差押え)

第四百六十六条の四 第四百六十六条第三項の規定は、譲渡制限の意思表示がされた債権に対する強制執行をした差押債権者に対しては、適用しない。

2 前項の規定にかかわらず、譲受人その他の第三者が譲渡制限の意思表示がされたことを知り、又は重大な過失によって知らなかった場合において、その債権者が同項の債権に対する強制執行をしたときは、債務者は、その債務の履行を拒むことができ、かつ、譲渡人に対する弁済その他の債務を消滅させる事由をもって差押債権者に対抗することができる。

 

(預金債権又は貯金債権に係る譲渡制限の意思表示の効力)

第四百六十六条の五 預金口座又は貯金口座に係る預金又は貯金に係る債権(以下「預貯金債権」という。)について当事者がした譲渡制限の意思表示は、第四百六十六条第二項の規定にかかわらず、その譲渡制限の意思表示がされたことを知り、又は重大な過失によって知らなかった譲受人その他の第三者に対抗することができる。

2 前項の規定は、譲渡制限の意思表示がされた預貯金債権に対する強制執行をした差押債権者に対しては、適用しない。

 

(将来債権の譲渡性)

第四百六十六条の六 債権の譲渡は、その意思表示の時に債権が現に発生していることを要しない。

2 債権が譲渡された場合において、その意思表示の時に債権が現に発生していないときは、譲受人は、発生した債権を当然に取得する。

3 前項に規定する場合において、譲渡人が次条の規定による通知をし、又は債務者が同条の規定による承諾をした時(以下「対抗要件具備時」という。)までに譲渡制限の意思表示がされたときは、譲受人その他の第三者がそのことを知っていたものとみなして、第四百六十六条第三項(譲渡制限の意思表示がされた債権が預貯金債権の場合にあっては、前条第一項)の規定を適用する。

 

(債権の譲渡の対抗要件)

第四百六十七条 債権の譲渡(現に発生していない債権の譲渡を含む。)は、譲渡人が債務者に通知をし、又は債務者が承諾をしなければ、債務者その他の第三者に対抗することができない。

2 前項の通知又は承諾は、確定日付のある証書によってしなければ、債務者以外の第三者に対抗することができない。

(債権の譲渡における債務者の抗弁)

 

第四百六十八条 債務者は、対抗要件具備時までに譲渡人に対して生じた事由をもって譲受人に対抗することができる。

2 第四百六十六条第四項の場合における前項の規定の適用については、同項中「対抗要件具備時」とあるのは、「第四百六十六条第四項の相当の期間を経過した時」とし、第四百六十六条の三の場合における同項の規定の適用については、同項中「対抗要件具備時」とあるのは、「第四百六十六条の三の規定により同条の譲受人から供託の請求を受けた時」とする。

 

(債権の譲渡における相殺権)

第四百六十九条 債務者は、対抗要件具備時より前に取得した譲渡人に対する債権による相殺をもって譲受人に対抗することができる。

2 債務者が対抗要件具備時より後に取得した譲渡人に対する債権であっても、その債権が次に掲げるものであるときは、前項と同様とする。ただし、債務者が対抗要件具備時より後に他人の債権を取得したときは、この限りでない。

一 対抗要件具備時より前の原因に基づいて生じた債権

二 前号に掲げるもののほか、譲受人の取得した債権の発生原因である契約に基づいて生じた債権

 

3 第四百六十六条第四項の場合における前二項の規定の適用については、これらの規定中「対抗要件具備時」とあるのは、「第四百六十六条第四項の相当の期間を経過した時」とし、第四百六十六条の三の場合におけるこれらの規定の適用については、これらの規定中「対抗要件具備時」とあるのは、「第四百六十六条の三の規定により同条の譲受人から供託の請求を受けた時」とする。

工事中

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